はじめに:開発最終段階で直面する「レバー解除操作力」とスペースの制約
自動車部品などの製品開発において、試作や評価の最終段階で想定外の仕様変更を迫られることがあります。

周辺部品のレイアウトや筐体のサイズ、バネの配置スペースがすでに決定している最終局面で、「レバーの解除操作力を変更させなければならない」という必要性が発生した場合、設計者は極めて困難な状況に直面します。

操作力を高めるためにバネのサイズを大きくすれば、周辺部品に干渉してしまいます。限られたスペースの中で検討を重ね、必要な解除操作力をクリアできる「極めて高い荷重(ハイテンション仕様)の引張バネ図面」を作成したものの、今度は「この図面通りの仕様は、物理的・技術的に生産できるメーカーがない」という壁に突き当たることがあります。

本記事では、他社で「生産不可能」と断られた難度の高い引張バネ図面を、当社の技術を用いて忠実に形にし、月産22,000個の安定量産を実現した事例をご紹介します。

 

相談前の課題:開発最終段階での仕様変更と、生産メーカー不在

今回ご相談をいただいたのは、自動車部品の設計開発・購買部門様でした。

お客様は、新型部品の試作開発の最終段階において、機構の作動安全性を高めるため、操作レバーの「レバー解除操作力」を変更(向上)する必要性に迫られていました。

しかし、製品全体のコンパクト化が進められていたため、バネの設置スペースは極限まで制限されていました。

① 変更不可能な設置スペース

すでに周辺部品のレイアウトが固定されており、バネに許容される外径や自由長はこれ以上のサイズアップができない、物理的に非常にタイトな状態でした。

② スペースに対して高すぎる要求荷重(ハイテンション仕様)

定められた極小スペースの中で、必要なレバー解除操作力を満たすため、お客様は極めて高い初期張力と高いバネ定数を設定した「ハイテンション仕様の引張バネ図面」を新たに引き直されました。

③ 生産パートナーが見つからない焦燥

お客様が作成されたこの図面をいくつかの主要バネメーカーに持ち込み、生産を打診したところ、いずれからも「このサイズで図面通りの荷重や品質を満たすバネを生産することは不可能であり、対応できない」と断られてしまいました。

バネが調達できなければ周辺部品の再設計を余儀なくされ、プロジェクト全体に大きな遅延とコスト増が発生してしまうというリスクに直面されていました。

他社で「図面仕様の生産」が困難と断られた理由

なぜ、他社ではお客様の図面通りのハイテンションスプリングを生産することができなかったのでしょうか。

一般的な引張バネの製造において、材料の限界に近い高い初期張力を与えようとすると、バネの形状が崩れてしまい、図面指定の寸法や特性を維持することが困難になります。

そのため、他社の一般的な製法や設備では、お客様が求めた「限られたスペース」と「極めて高い荷重(レバー解除操作力)」を両立した図面通りのバネを形にすることができませんでした。

要求された図面仕様と当社の対応実績

お客様から提示されたシビアな図面に対し、当社が生産を可能にしたスペックと、現在の量産実績は以下の通りです。

【要求仕様と実績の比較】

項目 要求仕様 当社の対応・実績 改善の効果と付加価値
用途(仕様) レバー解除操作力の変更・向上 図面の操作力をクリア 開発最終段階での必要な解除操作力を確実に実現。
設置スペース 極小の設置スペース(外径・自由長) 図面指定のサイズ通りに生産 周辺部品に干渉することなく、限られたスペースに適合。
量産数量 月産 22,000個 月産 22,000個の安定供給 量産体制を確立し、不具合なく安定供給を継続。

課題解決の鍵:図面仕様を忠実に再現した「独自の製法技術」

 

当社では、長年培ってきた技術を結集し、他社では成形困難とされた図面通りのハイテンションスプリングを生産しました。

当社は、JIS規格の 2倍から5倍 もの高い初期張力を、バネの特性(寸法・形状・耐久性)を損なわずに安定的に付与できる独自の製法技術(線材処理、熱処理、巻き方)を保有しています。

当社ではお客様のバネ設計自体には関与しておりませんが、お客様がタイトなスペース制限と高荷重要求に合わせて引かれた高度な図面(線材径、コイル径、巻きピッチなど)の仕様を完全に満たすため、この独自のハイテンション技術を適用した試作品を製造・提供し、要求仕様(作動、耐久性)をクリアできることを実証しました。

 

納品後の成果:周辺部品の設計変更を完全に回避、月産22,000個の安定供給を実現

当社の製造したハイテンションスプリングを納品した結果、お客様は開発最終段階における大きな危機を乗り越えることができました。

  • 周辺部品の設計変更ゼロで量産化 お客様が作成された図面通りのサイズと荷重をバネ単体で忠実に再現できたため、既に設計が固まっていた周辺部品の再検討や変更を行う必要が一切なくなりました。
  • プロジェクトの遅延・追加コストを回避 他社で「生産不可」とされた仕様が形になったことで、周辺設計のやり直しに伴う追加コストや、量産スケジュールの遅延リスクを完全に回避できました。
  • 月産22,000個の安定した量産供給 量産開始後は、月産22,000個の規模において、図面仕様を確実に満たした高品質なバネを安定して供給し続けています。

お悩みの設計・購買担当者様へ

バネはシンプルな部品に見えて、限界仕様になればなるほど「製造・加工技術」の差がそのまま製品の実現可否に現れます。

「設計の最終段階で操作力を変更しなければならず、スペース限界の図面を引いたが、作れるメーカーが見つからない」 「周辺レイアウトが固まっておりバネを大きくできないが、高い解除荷重が必要」 「他社に図面を持ち込んだが、要求仕様が厳しすぎて対応できないと断られてしまった」

このようなお悩みがございましたら、他社で不可能と言われた図面仕様であっても、ぜひ一度当社へご相談ください。当社の高い技術力でお客様の図面仕様を正確に製品として形にし、月産22,000個などの量産規模まで安定供給でお応えいたします。

 

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